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種々雑多

バックナンバー:2002年10月分


台風で気が同点しています 2002年10月1日(火)
同点じゃなくて動転です。そのくらい慌てふためいています。
いや〜、台風流行ってますね。
流行ってるわけじゃないですね。
東北地方はこれから暴風域に入るそうで、大変ですね。ナマハゲ。

ああもう、またパンダ出たよ。3つ目だよパンダ。
なんで私は自分でガチャコンやってんでしょうか。
ガチャコンで思い出しましたが、ベストジーニストが決定しました。
草なぎさん、おめでとうございます。

私、この台風でタマちゃんがどうなるか気になります。ガラスの仮面の続きと同じくらい気になります。
吉野川に移動したらヨッちゃんです。野村義男かよ。こうしてやる!

パンダ4つ目だよチキショ。
(小林隆英/STUDIO-蔵)


0000001 2002年10月2日(水)
蔵にはヤノのフロッピードライブ「UFD-01」が2台あるんですが、ロットナンバーが0000002、0000003なんですよ。ということは、0000001をお持ちの方が近くにいるはず。もしいらっしゃいましたらご一報を。いや、たんに興味本位で。
(青木太臣/STUDIO-蔵)


THE SKETCHES OF MOONDAYS 2002年10月3日(木)
予約完了。

サントラ1枚とキーホルダーが1コ、それに送料がプラスされて計6020円。
これを高いと思うか安いと思うか、それはその人のmoon好きの度合いと
懐の具合によると思うのですが、僕はもう全然安いと思ったね!

……ウソ、ホントはちょっと高いと思いました。
(青木秀雄/STUDIO-蔵)


この番組は我々がジャックした 2002年10月4日(金)
のフレーズで始まる、8年程前のフジテレビ深夜番組「マーズTV」のビデオが物置から出て来ました。デビュー仕立てのGLAYが芸人のコントの合間に歌ってたりして、歴史を感じます。
辰巳琢郎の水着でウッフン。懐かしオモシロ。
(小林隆英/STUDIO-蔵)


今度 2002年10月7日(月)
新しく自分のページを開設します。よい子のみんな、遊びにおいで。
ていうか来て下さい。
(青木秀雄/STUDIO-蔵)


もう跳べません 2002年10月8日(火)
ドリフターズのトランポリンコーナー最終回で、仲本工事がポツリと漏らした一言で す。
人間いつまでも体は動かないんですね。悲しい現実です。
なぜこんなことを書いているかというと、まぁこんな記事を読んだからでして。どうやら見られそうにはありません、シティハンター2
(小林隆英/STUDIO-蔵)


入善の善人 2002年10月9日(水)
「アジが来てるぞ」ということで先週末、富山県の入善町に釣りに行って来ました。うわさ通りアジは入れ食い状態で、3日で数百匹釣り上げてまいりました。誰がそんなに食うんだ?って感じですけどね、まぁ全ておいしく頂きました。
それでですね、始めて行ったんですが入善町って良い所なんですわ。人が良いと言いますか。地元の人が「これ食え」と言ってアワビやらカキやら山程持って来てくれるんですよ。排他人種の山梨人には考えられない事です。それを有り難く頂いていると、また知らない人が「これ食え」ってサザエなんかを持って来てくれて、そのうち宴会が始まってしまうわけです。昼からビール飲んでベロンベロン、でまた海に潜ってサザエを取って来くる。「あぁ、凄いなここの人たちは」って感じでした。書ききれないので、以下次回。
(青木太臣/STUDIO-蔵)


以下次回といったものの 2002年10月12日(土)
 その次回になったら特に書く事が無いことに気付きました。ありますよね、そんな事。ありませんか?そうですか。
 全く話が変わりますが、夜中の2時頃に電話が鳴って出てみるとFAXだったって事、ありますよね。しかもその字が潰れて何書いてあるか分からなかったり。ありませんか?そうですか。
 全く話が変わりますが、さっき受信した広告メールにすごい事が書いてありました。「マリファナ買え」って。そんな物あからさまに売って良いのでしょうか?いや、良く無いんですが。

 つまるところ、今日は何を書いたら良いのか分からないって事です。ありますよね、そんな日も。
(青木太臣/STUDIO-蔵)


NHKの「詩のボクシング」にて 2002年10月14日(月)
久しぶりに見た坂本美雨が、あんまりにも綺麗になっていたもんで
オイラ鼻毛が出るほどびっくりしたよ。
(青木秀雄/STUDIO-蔵)


呼び捨てかよ! 2002年10月15日(火)
以下、Yahoo!ニュースの記事から抜粋です。

しゃぶしゃぶ好きの小暮に白羽の矢が立ったという

呼び捨てかよ!
(小林隆英/STUDIO-蔵)


Carbon 2002年10月16日(水)
遅ればせながらCarbonの勉強を始めました。最近まで「OSXなんてどっちでもいーや」という感じだったんですが、しばらく使っているうちにハマってまいりました。APIも面白いものが用意されていますので、理系心がくすぐられます。
いつとは断言できませんが、近いうちにOSXネイティブなソフトをば。
(青木太臣/STUDIO-蔵)


タイラーダーデンダーデン 2002年10月17日(木)
ルールその1:書き出しは前の人が書いた最後の一行を使用すること。
ルールその2:最低5行以上書くこと。
ルールその3:登場させるキャラクターは1人につき3キャラまで。
ルールその4:ファイトクラブのことを口外してはならない。

以上のルールを用い、この種々雑多でリレー小説をやってみたい
と、勝手に思ってるんですが、どうでしょう?お二人さん。
(青木秀雄/STUDIO-蔵)


新作のお話 2002年10月19日(土)
新しいソフト作ってます。アイデアとしては数年前からあったんですが、なんとなく後回しになっていた不遇なソフトです。とは言え、個人的には非常に好きなタイプのソフトではありますので、なかなか楽しく作っております。今回はですね、古き良き時代を知る大人の方のために...おっと隣の家が火事だ。というわけで、また次回。
(青木太臣/STUDIO-蔵)


種々雑多リレー小説『最終更新』 第一回 2002年10月21日(月)
最近少し悪趣味なことをやっている。
ネットサーフィンをして、最終更新日が古いサイトばかりを探しているのだ。
何故そんなことをしているのか、それは、途中で放棄されたサイト
いわゆるネットバブル時代の遺物を見つけた時の、あの悪意に似た優越感を
味わうのが愉しいからだ。
いずれにせよ、人に言えるようなことでは無いのだが。

そのサイトもそうだった。最終更新日が99年の11月21日で止まっていて、
掲示板の日付けもその前の月で止まっていた。
背景が白一色で、トップページの一番上に書かれた「私のホームページへようこそ」
という虹色のテキストが、少し痛々しく思えた。
コンテンツの一つに「あっくんのコーナー」というものがあり、
それから察するに、若い母親が我が子可愛さに作った「親馬鹿サイト」の類いらしい。
最終更新日から3年近く経っているのだからと思い、笑みを浮かべつつブックマーク に
登録したのが一週間前のことだった。
しかし、今日再び見てみると、少々驚く事態になっていた。

最終更新日が02年の10月21日になっていたのだ。
(青木秀雄/STUDIO-蔵)


種々雑多リレー小説『最終更新』 第二回 2002年10月22日(火)
最終更新日が02年の10月21日になっていたのだ。

「あっくんの新しい写真、アップしました」
トップページには大きなゴシック体のフォントでそう書かれ、リンクが張られていた。

先週このページを訪れた際、「あっくんのコーナー」には飛行機のオモチャを持ってはにかむ幼子の写真が飾られていた。歳は3つか4つ程のように見えたので、3年が経った今では小学校の低学年といったところだろうか。

なぜ、3年も放置していたページを今頃になって再開したのか…。掻き立てられる妄想の誘惑に流されるまま、マウスを滑らせてリンクを辿る。
3年前であれば読み込むのが苦痛だったであろう200KB程の写真画像は、ADSLの力で瞬時に眼前に展開された。

そこに写っていた人物…「あっくん」と紹介されているその人物とは…
(小林隆英/STUDIO-蔵)


種々雑多リレー小説『最終更新』 第三回 2002年10月23日(水)
そこに写っていた人物…「あっくん」と紹介されているその人物とは…

 真新しいランドセルを背負った少年。そして彼の隣で微笑む一人の女性。十中八九あっくんとあっくんママであろう。彼らの晴れ晴れとした表情と服装から、それが入学式で撮影されたという事が見て取れる。
 何の変哲もない、ごくありふれたスナップ。ただ、デジカメで撮ったままをアップしたと思しきその写真は、全くウインドウに収まり切っていない。少々の腹立たしさを感じながらも画面をスクロールすると、奇妙なキャプションが目についた。

 「ママと撮った最後の写真」

 ママと撮った…。どういう事なのであろう?単純に考えれば主語は「あっくんが」という事になる。ではこの写真はあっくんがアップしたのであろうか?いや、それ以前に「最後の」という点が気にかかる。いくつかの推測が脳裏を過るが、いずれにせよ、あまり良いイメージでは無い。ただ、そのイメージが真意と同義だとすれば「ママと撮った」という点にも納得がいく。いったいあっくんママに何があったのだろうか?
(青木太臣/STUDIO-蔵)


種々雑多リレー小説『最終更新』 第四回 2002年10月24日(木)
いったいあっくんママに何があったのだろうか?

マウスに手を置いたまましばらく画面を見つめていると、ふとあることに気が付いた。
そうだ、掲示板に新しい書き込みは無いだろうか?三年振りに更新したのだ、
管理人からの何らかのメッセージがあるかもしれない。ブラウザの「戻る」ボタンから
トップページへ移動すると、素早くコンテンツにある「掲示板のコーナー」をクリックした。
しかし期待は裏切られ、切り替った画面に表示された物は一週間前に見たそれと同じだった。
書き込み件数は全部で三件。内二件は「あっくんママ」による書き込みで、残り一件は
「SACHIKO」という人物からの書き込みだった。確かに一週間前から変わっていない。
いや、最後の書き込みが99年の10月ということを考えると、一週間前というよりは
三年前から変わっていないと言う方が適切か。何とも寂しい掲示板だ。
掲示板……そうか、私はある考えを思いつき、それを実行すべくキーボードを叩いた。
一気に書き上げると、迷わず「投稿」ボタンをクリックした。


久しぶりー  投稿者:SACHIKO  投稿日: 10月21日(月)23時11分21秒
新しい写真見たよ。あっくん大きくなったねー。 ところで“最後の写真”ってどう言う意味??


表示された四件目の書き込みを見て、私は妙な不安に襲われた。
いや、大丈夫だ。例えSACHIKOが偽者だとバレても
プロキシを通してあるのだから、私が書き込んだことは分からない。
何よりこれで何かしらのリアクションは期待できるはずだ。
胸に湧く不安を振払うように、心の中でそう呟いた。

そして、期待したそのリアクションは、三日後に五件目の書き込みとして現れた。
(青木秀雄/STUDIO-蔵)


種々雑多リレー小説『最終更新』 第五回 2002年10月25日(金)
そして、期待したそのリアクションは、三日後に五件目の書き込みとして現れた。



(無題)  投稿者:あっくんパパ  投稿日: 10月24日(木)14時29分55秒
長い間放りっぱなしにしていたにも関わらず、さっそくの書き込みありがとうございます。
写真の通り、あの大事故からも立ち直ってアツシは元気に学校へ通っています。和子のその後に関しては連絡が行っていなかったようですね。掲示板で語るような内容ではありませんので、メールでご説明させて頂きます。アドレスをご記入されていないようですので、メールをこちらまでお願いします。


思わぬ展開だ。
どうやら今回ページを更新したのは「あっくんパパ」、おそらくはあっくんママの亭主であろう。
パパの書き込みから推測するに、あっくんとあっくんママ(おそらくアツシがあっくん、和子はあっくんママだろう)は何かの事故に遇った。そしてあっくんは一命を取り留めたものの、「最後の写真」の言葉が示す通りにあっくんママは………

数分後、私は大手ポータルサイトで即席のメールアドレスを取得し、SACHIKOとしてあっくんパパへ当てたメールを打っていた。
(小林隆英/STUDIO-蔵)


種々雑多リレー小説『最終更新』 第六回 2002年10月26日(土)
SACHIKOとしてあっくんパパへ当てたメールを打っていた。


 “あっくんパパさん、初めまして。知らなかったとは言え、不躾なカキコをしてしまって申し訳ありませんでした。もし出来る事でしたら、一体何があったのかお知らせ頂ければ幸いです。”

 当たり障りの無い文面ではあるが、いざ送信するとなると躊躇われた。自分が人の過去を掘り返そうとしている事は明白であるし、それが褒められた行為でない事も理解している。そもそも素性を偽っている時点で、一歩間違えば犯罪である。しかし、「知りたい」という欲は何かと行為を正当化するもので、結局は「送信」ボタンを押すに至った。
 送信し終えメールソフトを閉じた時、突然、まるで誰かに指摘でもされたかのように一つの過ちに気付いた。
 何気なしに「初めまして」と書いてしまったが、SACHIKOとあっくんパパの関係を全く考慮していなかった。彼はこちらの書き込みに対し「初めまして」とは返さなかった。面識は無いにせよ、メールのやり取りくらいあったのかも知れない。となると「初めまして」という挨拶は成立しない。いやしかし、彼と面識が無いからこそ、SACHIKOはあっくんママの「大事故」とやらを知り得なかったのではないか?となると、やはり「初めまして」で良かったのか。いや、そもそもSACHIKOが全てを把握している事を彼が知っていたとすれば、先日の書き込みに不信感を抱いた可能性もある。だから「メールで」と誘い、こちらの素性を探るつもりなのではないか?となると「初めまして」と書いた事は大きな失敗である。
 言い知れぬ不安からメールソフトを再度立ち上げ「受信」ボタンを押すと、既に彼からの返事がポストされていた。
(青木太臣/STUDIO-蔵)


種々雑多リレー小説『最終更新』 第七回 2002年10月27日(日)
 言い知れぬ不安からメールソフトを再度立ち上げ「受信」ボタンを押すと、既に彼からの返事がポストされていた。


ほんの少しの逡巡の後、私は彼からのメールを開いた。

「戻っておいで、アツシ」

 視界が。
 歪んだ。

― ごめんなさい、ママ、ごめんなさい
― 痛い、痛いよママ。
― 止めて、打たないで、
― 熱い、熱い、ママ、熱いよ
― ママぁ、僕、お腹空いたよ…
― ママ、泣かないで。僕、イイコになるから
― ママは僕が嫌いなの?
― ……僕もママなんかいらねえよ

「えっ?」
 はっと我に返った。今のは一体?
 
 車酔いのような眩暈がした。頭を左右に軽く振ってモニターを見直す。父親からのメールは全文が文字化けをおこしていた。さっきは何か意味のある文字が書かれていたような気がしたが、不規則に並ぶ文字の配列にはなんの意味も感じられなかった。どうしたものか。もう一度送信して貰ってもいいのだろうか?
「掲示板に書き込んでみるか……」
 私はもう一度、SACHIKOになりすまして掲示板に書き込んだ。もう一度メールを送信してくれるように、と。
(ゲスト寄稿者/STUDIO-蔵)


種々雑多リレー小説『最終更新』 第八回 2002年10月28日(月)
 もう一度メールを送信してくれるように、と。


しかし、
それから四日が過ぎても彼からのメールは来なかった。
最終更新も10月21日のまま、掲示板も私の書き込みで止まっている。
更新がなされていない以上見ても仕方が無いというのに、
私は今再び「あっくんのコーナー」を訪れていた。
不思議なものだ。何の変哲も無い母子のスナップ写真が、最後の写真と言われただけで
酷く哀しい物に写ってしまう。その場でブラウザを終了しようとしたが、この画像に
つけられたファイル名が気になってソースを見てみることにした。

<IMG SRC="a5.jpg"><BR><BR>
ママと撮った最後の写真<BR><BR><BR>

何かメッセージ的なものを期待したが、画像につけられていたのは「a5.jpg」という
素っ気無いファイル名だった。
ん?‥‥5?おかしい、あっくんコーナーに掲載されていた写真は全部で4枚だったはずだ。
そう思い下の行に目をやると、

<IMG SRC="a3.jpg"><BR><BR>
こんにちは〜。ぼくの名前はあっくんです。ちょっと緊張しているのだ。よろしくね〜〓<BR><BR><BR>

<IMG SRC="a2.jpg"><BR><BR>
おいしいミルクを飲んでごきげんなのだ。どんどん大きくなってね。<BR><BR><BR>

<IMG SRC="a1.jpg"><BR><BR>
おすましあっくん。カメラにむかってハイ、ポーズ。<BR><BR><BR>

やっぱりだ、a4.jpgが抜けている…。以前掲載された物が削除されたのかもしれない、
他のコーナーに使われている可能性だってある。だがしかし、そんな小さなことさえも
今は確かめずにはいられなかった。サイトのURLの下に「/a4.jpg」と入力すると、
高鳴る胸を押さえるように、私はブラウザの更新ボタンを静かにクリックした。
(青木秀雄/STUDIO-蔵)


種々雑多リレー小説『最終更新』 第九回 2002年10月29日(火)
 高鳴る胸を押さえるように、私はブラウザの更新ボタンを静かにクリックした。






あれからどれだけの時間が流れただろうか。私は立ち歩くこともできなくなった肉体を病院のベッドに横たえ、窓枠に四角く切り取られた、高い高い秋空を見上げている。
妻と2人の子供、5人の孫達はみな優しく暖かく、私に生きる希望を与えてくれる。しかし80年連れ立った自分の体のことだ、薄々気付いてはいる。年は、越せないだろう。

こうなってしまっては、あれ程欲しかった「自分の時間」もただ流れ去るのを待つだけの退屈な物でしかない。人生とはままならないものだと自嘲気味に微笑んでいると、入院以来日課となった午後の微睡の時間がやってきた。

憧れだった父さん。
何も知らなかった僕に、いろんな事を教えてくれた父さん。
青春18切符は18歳じゃないと使えないと思っていた父さん。
セパタクローの話になると止まらなかった父さん。
22歳のOLとあーなってこーなった父さん。
大好きだった父さん。

優しかった母さん。
料理が得意だった母さん。
いつも竜雷太と峰竜太を間違えた母さん。
マジックマッシュルームが規制の対象になった時、やけに落ち込んでいた母さん。
訪問販売の若い男とあーなってこーなった母さん。
大好きだった母さん。

…そして、いつも私の帰りを待っていてくれた君。
随分と待たせてしまったけれど、もうすぐまた会えるよ。
その時、君はあの日と同じ笑顔で私を迎えてくれるかい?

年齢から来る絶対的な脳細胞の衰え。明滅を繰り返す古びた電球のように、記憶は途切れては繋がり、繋がっては途切れる。全てを包み込む闇が訪れる前に、そうだ私は語ろう。かつてあった、幸福な家族を襲った悲劇の全てを。





a4.jpgと名付けられた世界。あの日、ネットを介して私の眼前に現れたその情景が果たして現実のものであったのか…今となっては、夢中でディスプレイを覗き込む私自身すら虚構の一部だったようにも感じられる。
(小林隆英/STUDIO-蔵)


種々雑多リレー小説『最終更新』 第十回 2002年10月30日(水)
 夢中でディスプレイを覗き込む私自身すら虚構の一部だったようにも感じられる。


 私の思惑通り 4.jpg というファイルは存在した。60KB程度のその画像は一瞬にして読み込まれ、モニタを覆う。
 ・・・言い様のない恐怖。その画像に写っていた者、惚けた顔で頬杖をつく男は、疑う余地も無く私であった。どこで撮られたのか、いつ撮られたのか、全く記憶にない。分からない。しかし、そんな事は問題ではない。あっくんママのディレクトリに私の写真が置かれているという事実、その点が最大の疑問であり、恐怖である。
 どこで私の素性が割れたのか。最初にこのページにアクセスした時であろうか?あっくんパパとコンタクトを取った時であろうか?いや、それ以前にこの画像をここに置く事に何の意図があるのだろうか?誰が?何のために?いつ?何処で?何故?
 無数の「?」が頭を駆け巡るが皆目見当はつかず、時間に比例して恐怖が増していく。人の生活を除き見しているという険悪な優越感、それが突然逆転したのである。私は見ていたのではなく、見られていたのだ。誰かに。何かのために...。
(青木太臣/STUDIO-蔵)


種々雑多リレー小説『最終更新』 第十一回 2002年10月31日(木)
 私は見ていたのではなく、見られていたのだ。誰かに。何かのために...。


マウスを持つ手が震える。一刻も早く画面から目を反らしたいのに
体がいうことをきいてくれない。やっとの思いでコンセントを抜き無理矢理
パソコンを止めると、私は椅子から転げ落ちるようにその場に倒れ込んだ。
恐い…恐い……どうしてこんなことになってしまったんだろう。
そもそも二週間前にあのページを見つけたのが間違いだったのか。
…………ふと、あることに気づいた。
私はどうやってあのページを見つけたのだろう。
検索をかけた?どのキーワードで?
分からない…。思い出せない…。
部屋のどこかで何かが腐っている臭いがした……。





気がつくと、時計の針が午前4時を回っていた。
どうやら私はあのまま眠ってしまったらしい。
口の中が酷く乾いている。
椅子に手をかけ立ち上がろうとした私の目に、ある物が飛び込んできた。
パソコンの横に置いてあるルーターのランプが赤く光っている。
…メールが来ているのだ。
どうする?
もう恐ろしい目には合いたく無い。しかし……
迷いながらも私はパソコンを起動させた。
届いていたメールは一通。
差出人を確認し、私はそのメールを開いた。

-------------------------
SACHIKOさんへ

こんにちは。
あなたがここ数日してきたこと、僕は全て見ていました。
だからあなたが本当はSACHIKOさんではないということも分かっています。
しかしあなたの名前が分からないので、僕はあなたのことをSACHIKOさん
と呼ばせてもらうことにしました。

SACHIKOさん、ごめんなさい。
驚かせるつもりはなかった、嘘をつくつもりも無かった。
あの時、最初にメールをくれた時点で全てを話すべきでした。
ただ、私は私が犯してしまった過ちをどう処理すべきか
それだけに精一杯だったのです。
しかしもう決心がつきました。明日自らの手で決着をつけようと思います。
止めないで下さい。

もし、ここまで読んで何も理解できない場合は、
あなたの後ろにある押し入れの中を見て下さい。
そこに答えがあります。

あっくんパパより
-------------------------

私はもう考えることを止めていた
振り返って押し入れの前に歩み寄り
ゆっくり襖を開けた
暗がりの中蒲団と蒲団に挟まれるように
1人の少年が座っていた
部屋中に広がる腐敗臭
不自然な曲がり方をしている首
見覚えのある顔
それは

あっくんだった
(青木秀雄/STUDIO-蔵)


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