昨晩の事でした。友人のビデオ上映会の後、腹ごしらえのため一見の食堂に入りました。そこが「たこや食堂」。それが運の尽き。
見てくれが粗末な店は「案外うまいかも」と期待をさせるものですが、たこや食堂に関しては所詮期待でしかありません。どす黒く汚れた店内に、今にも死にそうな爺さん、仏頂面でタバコをふかす婆さん。席はカウンターが10席ほど、きしむパイプ椅子にベタベタとした机面、汚れで判読不能なメニュー、撤去された洗面台から立ちこめる下水の匂い。なにもかもが「今すぐここを出ろ」と警告しているようでした。
「今ご飯炊いてるから」・・・夕食時なのに婆さんはサラリと言って退けます。「じゃあすぐ出来るものは?」と聞いても、答えは「肉飯か親子丼」。待つしか無いと覚悟し、とりあえず両方注文。爺さんが(ネズミの走り回る)厨房に入ると、婆さんは座ったまま調理方法を指示します。タマネギを剥け、飯を蒸らせ...老体に鞭を打つ老体、すごい光景です。やがてしびれを切らせた婆さんが厨房に消えると、友人の一人がこう漏らしました。
「今のうちに帰っちゃおうか」
誠実さに欠けた発言ではありますが、至極当然な意見だとも思います。
厨房から「あー、もうダメだ」と意味深な言葉が聞こえた直後、料理が出て来ました(スローモーションで)。肉飯は丼飯の上に肉とレバーとタマネギを炒めた物、親子丼はそれに溶き卵がかけてありました。食べるまでもなく「あー、これは無理だ」と思わせるビジュアル、そして匂い。レバーは串の跡があったので、恐らく売れ残りの焼き鳥か何かでしょう。意を決して口に含んだ瞬間、表現し難い不潔な風味が広がりました。既に限界です。水で流し込もうにも、水すら飲む事ができません。カルキ臭く、黄色く変色した水。口にした友人が吐き出したのを見ていたので、トライする気にはなれませんでした。とにかく一言で表現するなら「厳しい」。不味いなら許せますが、あそこの食べ物は「厳しい」。そんな感想です。
結局半分も食べる事ができず、逃げ出すように店を後にしました。口直しを買うために入ったコンビニの明るさと清潔さに涙しつつ、次回はファミレスで食事をしようと誓ったのでした。
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